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沈思熟考(9)
飲み二ケーションとハラスメント

真山 仁

ある若者から、こんな話を聞いた。

「上司に呼ばれて、『なぜ、我々を飲み会に誘わないのか』と言われたので、下から誘うのは、遠慮があるので、『そちらから誘ってもらえませんか』とお願いした。すると、『それはパワハラになるから、頼んでいるんだ』と言われた」

ジョークとしては面白いが、それが現実なのだという。
一方で、年齢を問わず、もっと上司や同僚と腹を割って話す機会が欲しい、と思っている人は多い。かつては、「飲みニケーション」なる言葉も存在した。

飲み会でしか、ホンネが語り合えないわけではない。無理をして参加する必要はない。大切なのは、世代や価値観を越えた人とじっくり話す機会を持ちたければ、もっと積極的になれる社会であって欲しいということだ。

特に若者は、社会常識やマナー、さらには人生に待ち受ける試練について、先輩たちの経験談を知りたがっている。SNSが社会の「必需品」となったことで、直接人と会うことや話をする機会が減少した結果、そういう場を欲しているのだ。

パワハラを怖がリ過ぎて、大切な相互理解の努力を怠っていないだろうか。
あと一歩、相手に近づいて、自主的な語り合う場を持ちたいものだ。



●初出:月刊「商工会」2024年11月号 
https://www.shokokai.or.jp/shokokai/gekkan/index.htm

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