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EAGLE’s ANGLE, BEE’s ANGLE

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発言

『正しさを疑え!』第1回

真山 仁

小説を通して、世の中の選択肢を広げたい――。
私が、小説家を志した理由だ。
デビューから15年、様々なテーマを掲げ、作品を発表してきた。
だが、私の非力ゆえ、その主張は届かず、無力感ばかりが募る日々だった。
ならば、もっとわかりやすく、直接、発言すればいい。そう思ったのは、2011年、東日本大震災と原発事故が起きた後だ。
こんなことでは、日本は悪い方向に進みかねない。そう思うなら、あらゆる方法で、異論や選択肢を発するべきだと痛感したのだ。
それでも、言いたいことは限定的だった。

その頃から、親しいジャーナリストや編集者、さらには業界の最前線で歯を食いしばって闘っている人たちと会う度に、「社会や政治に問題があるのが分かるのに、なぜ、我々は手をこまねいているのか。なぜ、問題提起をしても、届かないのか」という議論ばかりしていた。
そんなことをしている間にも、以前なら笑い飛ばしたような偏見やミスリードが、瞬く間に「真実!」と認定されて、世間に伝播していく事態が、加速していった。
このままでは、ジャーナリズムは権力の監視どころか、権力に阿る先導者(扇動者)になりかねない。

なぜ、ジャーナリズムは闘わないのか。
根拠なき「真実!」を、事実(fact)を積み上げて、論破できないのか。
ジャーナリズムは、死んだのだろうか。

今なら立ち直ることも、未来へ希望を残せるかも知れない。
たとえば、私が講演会で依頼される内容で一番多いのは、「事実をどう読み解くか」であり、「世間が決めつけている正しさ」に疑いの目を向けたいと考えている人は、けっして少なくない。
そして、この国の未来はどうなるのかを心配しながらも、よりよくするために行動したいという若者も増えてきた。

ならば、真実を追い求めているジャーナリストたちは、時代の要請に応えるべきなのだ。

そう思い、一念発起して、以前から温めていたプロジェクトを立ち上げることにした。
日本の未来を明るいものにしようと奮闘する仲間たちと共に、「今、日本や世界で何が起きているのか」を真剣に訴える――。

それが、真山メディア「Eagle's Angle, Bee's Angle」だ。
サブタイトルは、私が社会現象や人を取材したり分析する時に、常に肝に銘じている「鳥の目と虫の目を持て」=「俯瞰した視点と、地を這う視点を持たないと、現象は見えない」にちなんでいる。
敢えてEagle(鷲)とBee(蜂)に限定したのは、その想いを込めた拙著に由来する。

もはや日本は死んでしまったのか?
いや、まだ、しぶとく生き残っている。
だが、今、死への坂道を転がり続けていることは事実だ。
では、そうすれば、死を止められるのか。

その答えを探る旅を始めたいと思う。

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